灘「将軍には少し、無神経なところがありますな」
文秀「っせーな。自分でも下手打った自覚はあるんだよ。みなまで言うな」
灘「本当に自覚してるんですかねえ。私だったら今すぐ元述のところへ飛んで行って、平謝りしてますよ。それをしないって事は、まだ自分を正当化してるんじゃないですか」
文秀「何で俺が謝らなきゃいけないんだ。あいつが妙なところでへそを曲げるからいけないんだろ」
灘「その原因を作ったのは、一体誰なんで?」
文秀「けどなあ、俺は本気で阿志泰を誘うつもりだったわけじゃないんだぞ。妬いてくれるのは可愛いが、あれは完全に逆切れだったじゃないか」
灘「……ふうー……。そもそもあんた、何のために元述を誘ったんでさあ? 相手を喜ばせるためでしょうが」
文秀「そりゃあ、その通りだ。今日だってそのつもりだったさ。それなのにあいつが断るとはな」
灘「それがどうして、『相手はお前でなくてもいい』って態度になるんです? 元述を喜ばせるのに、当の元述を選ばなくて他の誰を選ぼうってんですか。天邪鬼も大概にしなせえよ」
文秀「……なんでお前が怒るんだよ」
灘「呆れてんですよ。まったく……子供じゃあるまいし」
文秀「ふん。どうせお前から見たら俺はガキだろうよ」
灘「挙句に、本当に阿志泰殿を連れて出かけちまうとは……。あれで決定的ですよ。これまでの事も全部将軍の気まぐれで、自分に都合の良い相手なら誰でも良かったんだと誤解されましたよ、きっと。どう言い訳なさるおつもりで?」
文秀「言い訳も何もねえ。あいつがそうしろって言ったからそうしたまでだろ」
灘「へそを曲げてるのはどっちですか、やれやれ……」
文秀「おいコラ、灘。お前さっきから煩いぞ」
灘「説教ってのは煩わしく聴こえるもんですよ」
文秀「何で俺がお前に説教されなきゃならんのだ」
灘「今日のあんたの行動が、非の打ち所の無いものだったと言えますか」
文秀「上官に向かって『あんた』呼ばわりだしよ。ったく……」
灘「あの態度はどうにも尊敬できませんからな。さっさと謝ってきたらどうです?」
文秀「門前払いを食らわない自身がねえな、今日は……クソッ」
灘「おっとこいつぁ、らしくもない弱気な発言ですな。戦場での知勇をどこに置き忘れてきたんでさ? 敵は自分に惚れてるかわい子ちゃん一人ですよ。百戦錬磨のあんたが臆するような相手じゃないでしょうに。それとも将軍は、あれですか。素人にはからきしの部類ですか」
文秀「お前はあいつの手強さを知らんから、そんな事が言えるんだよ!」
灘「散々やる事やっておいて、今さら何を言ってんですかい。順番が逆じゃねえですか」
文秀「俺は順序を飛ばしたつもりはねえよ! なるようになっただけだ!」
灘「どうですか。今日の将軍を見ていると、言うべき事をちゃんと言ったのかどうか、はなはだ疑問が残ります」
文秀「うるせーな、上官の私事にまで口を挟むんじゃねえよ」
灘「別に口を挟むつもりはありませんがね。苛々を溜め込むと心身の疲労も増えますよ。とりあえず今夜はもうその辺にして置いたらどうですか」
文秀「あー、そうだな。なにやら天井から煩いおっさんの声が聞こえるし、酒が不味くてかなわん! 今日はもう寝る!」
灘「わたしゃ護衛でくっついてるだけです。あんたの酒の相手をしているわけじゃありませんぜ。ま、明日の元述の様子次第じゃ、この先ずーっと、天井相手に酒を飲む事になるかもしれませんがね」
文秀「それは、ごめんだな……」
viasxrsqs43997 Eメール URL 2010年12月31日(金)11時09分 編集・削除
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